ホットすぎるEmojiブーム、成功と失敗
ものすごい勢いで進化を続けるEmojiマーケティングですが、安易に流行に乗っかると痛い目に合うのはどこでも、何でも同じようです。
シボレークルーズの2016年の若者向けモデルのリリース文としてこのようなものが出たのだとか。すごいですよね。でもアメリカの若者に語りかけたい、という意思を形にするとこのようになるのでしょう。
合わせてこのようなビデオも出まして、過度にEmojiを使ったジョークキャンペーン的なものであることが分かりますが、好意的にとらえない人もいたようです。ビデオに日本語はないですが、すごく面白いです。
シボレー以外ではタコベルはUnicodeに働きかけてタコスのEmojiを文字コードに入れたり、バーガーキングもリバイバル商品のプロモーションにEmojiアプリ(日本でいうとLineスタンプみたいなもので、メッセンジャー等で使える)を出す、更にドミノピザはピザのEmojiを打つだけでTwitter上で注文を受け付けるなど、Emojiを使わない私のような人間には何が起こっているかよく分からん世界になっています(故にEmoji Academyのようなビデオが面白くあるわけですが)。
絵文字じゃなく、Emoji
Emojiは2011年にiOS5に導入されたのをきっかけにアメリカでも使えるようになりました。GoogleもGmail上で使えるEmojiのセットを増やしています。AYTM Market Researchの調査によると、18歳以上のアメリカのインターネットユーザーの50%近くがEmojiをメールやSNS等に使用しているそうです。
研究によれば、オンラインでスマイルマークを見ることは現実で笑顔を見ることと類似しているとのこと。デジタルのテキストに人間味を加えられるというのがEmojiを使いたくなる理由なのかも知れません。
先のAYTM Market Research の調査によれば、58%のユーザーが5個くらいのEmojiを日常的に使用しており、その楽しさと同じくらい機能性を見いだしているようです。
ミレニアル世代をターゲットに
Emojiは基本的にはミレニアル世代の遊びのように受け取られますが、ある研究によれば64%のミレニアル世代の若者がEmojiを日常的に使っているそうです。企業やブランドは若者にアプローチするためにEmojiに手を出しますが、ホワイトハウスがEmojiを使ったインフォグラフィックスを出した時には批判する若者も現れて後にコンテンツを削除しました。
ゴールドマンサックスがTwitter上にミレニアル世代に向けたEmoji入りのレポートのツイートをしたときにも評判はあまりよくなかったようです。やはり固めのブランド、信頼第一のブランドには向いてないようです。
やはり重要なのは自分たちのお客さんのことをしっかりと観察することです。良いメッセージ、役に立つメッセージを作れれば良い反応を得ることができますし、逆に弱みに付け込むようなメッセージを出せば痛い目にあいます。
イギリスのマクドナルドでは「交通渋滞はマクドナルドを食べるチャンスだ」みたいなメッセージのEmoji看板を立てたのですが、グラフィティアーティストにゲロを吐いているEmojiを追加されて台無しにされてしまいました。
Haha, sorry @McDonalds but you've been done! #graffiti #Bristol pic.twitter.com/fCnwYXL1g3
— Ian Grainger (@Graingeri) 2015, 7月 8